走れメロス

私の大好きな映画(アニメ編)−「走れメロス」



▲メロス

▼ストーリー -Story-

山里の小さな農村イタケ村の男メロスは妹の結婚式に使う儀式用の刀を買いにシラクサの町へとやってくる。メロスはそこでセリヌンティウス(以下セリネ)という石工と出会い、誘われるままに酒を酌み交わす。セリネが王室付きの石工親方であることを知ったメロスは、セリネの作品を見るために宮殿に忍び込む。宮殿内で衛兵に逮捕されたメロスは、刀を所持していたため、王ディオニシウスから死刑を宣告される。仮釈放を求めるメロスに、王は身代わりになる者が現れれば認める、という条件を出す。絶望するメロスの前にセリネが現れ、身代わりを申し出る。仮釈放を許されたメロスは、3日のうちに妹の結婚式を済ませ帰ってくる、という約束をし、シラクサの町をあとにする。

無事妹クレアの婚礼を終え、豪雨の中、シラクサへと向かうメロスであったが・・・・。


▼私の思うところ -I think so-

この映画を観に行ったのは、大学の講義をサボって手持ちぶさたになっていたときだった。特に観たいとは思わなかったけど、やってたから観た、というのが正直なところだった。

なにしろあの「走れメロス」である。学校の「道徳の定番」とも言えるあの「メロス」なのである。これを読んでるほとんどの人も「ええっ!?」と思ったのではないだろうか?「なんだ。知ってるよ」というあなた!そんなあなたに観て欲しい映画なのです。なにしろかっこいい!ひたすらにかっこいい!何度もくじけかけながら、初めて自分を信頼してくれた「友人」のために力の限り走り続けるメロス。メロスを待ちながら、過去の心の傷と向かい合うセリネ、ただ王の命に従い、メロスを見守り続けるアレキスと、それぞれの登場人物が「自分は何者であるのか」「自分は今何をなすべきなのか」という問いの答えを求め、さまよい、悩み、闘う。その姿があまりにも清々しく、かっこいい。登場人物の立ち居振る舞いを眺めているだけでも力が湧いてくるような気分になれる。

演出は「ルパン三世」(TV第1シリーズ)、「ムーミン」などで知られるおおすみ正秋。重厚で堅実な画面作りはさすがだ。

この話のイメージというと「美徳」「誠実」「友情」・・・というような堅苦しい単語が並ぶ。事実、テーマとなる部分は「信頼」という単語に置き換えられるものだろう、と思う。しかし、映画自体はそんな堅いイメージとは無縁だ。先入観や思い込みで片づけないことがこの映画を楽しむコツだ。


▼スタッフ&キャスト - Stuff & Cast -

監 督・脚本
おおすみ正秋
Directed and Written by
Masaaki Ohsumi

作画監督
沖浦啓之
Written by
Takayuki Okiura

音楽監督
小田和正
Music by
Kazumasa Oda

出 演
Cast
メロス・・・・山寺宏一
Melos:Kouichi Yamadera

セリヌンティウス・・・・小川真司
Celinuntius:Shinji Ogawa

ディオニシウス・・・・小林昭二
Deonisius:Akiji Kobayashi

アレキス・・・・坂口芳貞
Alexis:Yoshisada Sakaguchi

1992年日本作品(朝日新聞社・テレビ朝日・講談社・電通)
・106分・ステレオ


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